またの夜、男、元の気をとりもどさむとて、ある人のもとを訪れけり。かの人、むかしより物の理をともに学びければ、しきりに酒ら飲みて遊び明かしける仲なりけり。ふたりして酒場にゆきて、いかが思ひけむ、今宵こそ世の数多なる麦酒ためさむと言ひければ、世の中の物語などしながら、たのみたるものぞ、ひとしづく残さず飲みぬる。腹やこはれけめど、男、いとうれしう思ひてかくなむ。
世を語る飲み仲間こそいのちなれ
明くる日、吐き気こそあれ、男、いささか慰めらるる気分なりけり。
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