国へかへりていく月立ちぬる時、男、夜は寝で、暗き灯のもと、あてもなく電網を点々とさぐりけり。されば、学びのそのより知り合える人の書きたる日記にいたりぬ。いとをかしみて、ひとこと記しのこせば、返しおこされけり。また文をやれば、いかが思ひけむ、ふたり、拉麺のことばかり語らひたりけり。男、はるかなる国にて食ひける拉麺を思ひ出でて、なつかしうおぼえて、とてつもなくはげしき食欲にぞおそはれぬる。おいしう食ひつるを頭の中にえがきて、男かくなむ。
空腹のかぎり知られず麺すすり飛び散るものは遠い思い出
されど、拉麺はいかに探せど見つからずなむありける。男、たよるは味の記憶のみ。
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