憂き世

今はむかしならざれど、よその国から男、はるかなる旅にいでゐて、ある国にいたりぬ。やうに旅する人ひとり、ふたりを友としけれど、国の人知らず、なほ夜這ひもはかどらざれば、男いと心細う思ひて時こそ経にけれ。冬になりぬれば、男ひとりさびしうおぼえて、かくなむ。

もうかえせ国や町にも倦怠期

されど、旅人どもえわからざりけり。みな人酒だけをかしむ人なれば、渋谷に飲みにゆきて、男ども酔ひつぶれてかへりけり。

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