ふたたび旅立つ

今はむかしならざれど、よその国に男ありけり。男、ある国に一年旅しけれど、いと空しう暮れぬれば、思ひ憂じはてて帰りけり。さるほどにて時は立ちぬ。学びを終ふる日なれば、いかが思ひけむ、男、またまいらむとて、ふたたび旅立ちにけり。

このたび、京は行かで、向かふ先なるは人の耳にせぬところなり。恐るる心あれど、男、京にありては身をえうなきものに思ひなして、無人島なれど、外惑星なれど、なんなりともうれしう思ひつる覚悟ありけり。場を聞きて、無人島より一歩手前とて男、ため息つきぬ。

媛君の愛しき国ぞ世の果つる

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